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タイムリミットで考える相続対策
 
  資産税部の業務内容/相続対策
  相続対策には、相続税の軽減のための対策だけでなく、
相続争いの防止や相続税の納税資金対策も併せて行うことが肝要です。
そのためには、まず、「財産の棚卸し」を実行して、現状を把握することから始めなければなりません。
財産の棚卸しを行うと、相続が発生したら相続税がいくらかかるのか、納税資金の過不足はどのくらいか、
相続手続きに障害が生じるものがないか、など問題点が浮き彫りとなります。
このことは、健康診断を受けてどのような病気に侵されているかを確認することと同じです。
そこで、相続対策の問題点が明確になったら、具体的な解決策を専門家と相談しながら立案し、
計画的に、そして、着実に実行に移していくようにします。
相続対策の必要性が感じながら、実行に移せていない人の多くは、

(1)現状把握ができていないことと、
(2)一緒に対策を考えてお手伝いしてくれる専門家が身近にいないこと

がその主たる原因と考えられます。
相続対策は、過去計算ではなく、未来を予測して行うものですから、
一定の前提条件によって対策は組み立てられます。
そのため、結果は正反対のものになる可能性もあります。
そのため、自ら内容を確認・検証し慎重に実行に移さなければなりません。
そのため、専門家からは、口頭だけでなく、書面によって提案を受け、
対策に伴うリスクとコストについてもしっかりと確認しながら進めていくようにしましょう。

 

(1)金融資産が中心の人の相続対策
  主として預貯金や上場有価証券が主たる相続財産である人の相続対策では、
相続税の納税資金対策は必要がないと思われますので、
毎年の贈与をしっかりと計画的に実行すれば相当額の相続税の軽減を図ることができます。
要は、「相続税>相続税+贈与税」の算式をイメージして、
贈与税の非課税額(基礎控除額110万円)以下の金額の贈与にこだわることなく、
毎年一定額の贈与税を負担しながら効率良く贈与を繰返すことです。
相続税が課税される場合の最低税率は10%とされていることから、
贈与税の負担割合も10%以下を目途に毎年の贈与を行えばよいことになります。
贈与税の負担割合が10%以下の場合の贈与金額は、一般贈与の場合470万円となり、
その場合の贈与税は47万円となります。また、特例贈与の場合、520万円の贈与財産に対して
贈与税が52万円となります。

【贈与税の計算】
 一般贈与の場合(470万円-110万円)×20%-25万円=47万円
 特例贈与の場合(520万円-110万円)×20%-30万円=52万円

この贈与を10年間継続すれば、4,700万円の贈与を470万円(特例贈与の場合は
5,200万円の贈与を520万円)の贈与税の負担で行うことができます。
さらに、受贈者を複数にすれば、もっと多くの贈与を、
又は、もっと少ない贈与税の負担で実行できます。
金融資産が中心の財産構成であれば、財産の相続税評価額の計算も容易であると思われますので、
是非実行されることをお勧めします。

 

(2)不動産オーナーの相続対策
  不動産オーナーの相続対策では、
特定の推定被相続人に集中する不動産収入を分散する対策が重要です。
また、換金処分困難な財産である不動産が相続財産の大半を占めるため、
相続税の納税資金対策も重要です。
不動産収入の分散を図るためには、不動産管理会社(不動産所有方式による管理会社)を設立して、
より多くの不動産収入を会社などへ分散するように所有形態を変えることが重要です。
また、相続税の納税資金対策として、終身保険による保険の上手な活用も欠かせません。
さらに、優良な不動産を残す対策として、
相続税の物納についても検討と準備を怠りなく進めておくことも重要です。

 

(3)企業オーナーの相続対策
  企業オーナーの相続対策では、自社株の相続税評価額を確認し、
株価の引下げと後継者への移転対策が中心となります。
また、不動産オーナーと同様に相続税の納税資金対策も重要課題となります。
さらに、オーナー個人が所有する不動産を会社が賃借しているような場合には、
その不動産をその会社へ譲渡する、
又は、遺言書などで後継者が確実に相続することができるような対策も必要でしょう。

 

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