クリニック開業支援 クリニック開業までの流れとやるべき事 税理士法人 FP総合研究所
1.開業の意思決定

《ワンポイントコメント》

  • 最近は診療科目によって異なりますが、医療ビルの進出が増えてきています。また、医療ビルでも総合受付を設けて複数のクリニックがワンフロアーに開業し、出来るだけ開業のイニシャルコストを低くするという開業もあります。医療法では難しい規制もあるが、東京でも数件の医療ビルが開業しており、関西でも計画されてきています。

  • 大手企業が郊外型複合施設などに医療ビルを併設して建築するケースが増えてきており駅前集中型から郊外型に変化してきています。

  • 今まで院外処方・院内処方と開業スタイルは二分していましたが、現在の薬価引き下げなどから薬価差益はほとんどなく、逆にデッドストックなどを考えると逆ザヤとなる可能性があり、院外処方が増えてきています。

  • 開業の意思決定の中で、最重要項目は開業場所の選定です。開業地は郊外か市街地の駅前か、または物件は一戸建てかテナントか、調剤は院外処方か院内処方か多くの決め事の中で意思決定をしなければなりません。

  • 激変する医療保険制度・介護保険制度の方向性を踏まえた上で、医療機関は10年先、20年先のビジョンを考えなければ事業継続性が困難となるでしょう。

 

厳しさを増す医業環境=綿密な事業計画の立案が重要

急増する医療費を抑制するため、2006年度の診療報酬改定ではマイナス3.16%と過去最大の引き下げとなりました。また、介護報酬の改定においても2.4%の引き下げとなっています。このように近年、医療を取り巻く環境は厳しさを増し、医業経営の収益構造に大きな影響をおよぼしています。開業する際は、“綿密な事業計画”を立て、万全の体制で挑む必要があります。

その一方で、診療所数は一貫して増加傾向にあり開業ラッシュです。開業場所の選定についても、競争の少ない地域をみつけることは困難な状況であり、今後、競合医院があるのは当たり前という環境下で開業しなければなりません。「普通に開業すれば普通に収益をあげられる」という甘い状況ではなくなっていることは間違いありません。

診療報酬改定と開業ラッシュにより収益構造が悪化し、院長の意識変革にもつながっています。

収益構造の悪化 
→脱保険診療
→診療内容、患者サービス等による他の病医院との差別化
→キャッシュフローを重視した事業計画書の必要性

 

明確なコンセプトづくりが必要

これらの状況から考えると、まず綿密な事業計画の立案は欠かせません。その事業計画の前提として基本コンセプトが必要です。どのような診療所を開設したいのかを明確にし、具体的な開業イメージを固めることが重要です。また、コンセプトの柱を複数持っておくことも必要でしょう。基本コンセプトや事業計画の立案にあたっては、次の事項を検討します。

  • 経営理念
  • 診療圏の調査
  • 診療圏内の患者ニーズ
  • 診療所の立地条件
  • 他医院との差別化のポイント
  • 診療科と専門性
  • 検査機器の設備内容と手術の範囲
  • 小児・高齢者の受け入れ体制
  • 病診連携・診診連携の取り組み
  • 現在勤めている病院との連携の可否
  • 診療時間と休日の設定
  • 家族支援の可否
  • 開業形態(例・住居併設型にするか)
  • 有床か無床か
  • 自由診療の取り扱い
  • 保険診療報酬の理解
  • 介護保険施設との連携(例・グループホーム)

 

成功している開業事例の特徴

これまでの新規開業事例を検証した結果、成功するためには以下のポイントに注意する必要があります。(順不同)

  1. 開業場所(駐車場の広さ、利便性等)
  2. 基本理念の明確化
  3. 他の医療・介護施設との連携
  4. 外観・内観への配慮(外見も集患の1つ)
  5. 医療の質(インフォームドコンセントの徹底等)
  6. 自由診療の検討
  7. 院外処方(医薬分業)
  8. 患者中心の医療の提供
  9. 設備はリースと購入を併用
  10. 開業資金の自己資金割合(10~20%)
  11. キャッシュフローを重視
  12. 事業計画の策定(予算・実績管理)
  13. 運転資金のゆとり
  14. 初期投資のコスト抑制
  15. 専門性の高い診療科は大胆な設備投資を実施
  16. 都市部では賃貸方式(ビル診)で開業
  17. 職員教育、人事・労務管理を重要視
  18. 情報の公開
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