【No1005】令和6年分の所得税等の確定申告状況とe-Taxの利用状況について

国税庁より令和6年分の「申告所得税及び復興特別所得税(以下、「所得税等」と表記)」の確定申告状況について報道発表がありました。今回は所得税等の確定申告状況とe-Taxを利用した所得税等の確定申告書の提出状況についてご説明します。

1.所得税等の確定申告書の提出状況

令和6年分の所得税等の確定申告書を提出した方は2,339万人で令和5年分から0.6%増加しました。そのうち、申告納税額がある方は517万人で令和5年分から22.6%減少し、還付申告の方は1,353万3千人で令和5年分から0.2%増加しました。申告納税額のある方の申告納税額は4兆3,989億円で令和5年分から8.6%増加しました。

次に、令和6年分の所得税等に係る土地等の譲渡所得の申告をした方は、58万人で令和5年分から4.3%増加しました。そのうち所得金額がある方は39万人で令和5年分から3.4%増加し、その所得金額は6兆4,993億円で令和5年分から6.8%増加しました。

また、令和6年分の所得税等に係る株式等の譲渡所得の申告をした方は、118万人で令和5年分から2.3%増加しました。そのうち所得金額がある方は74万人で令和5年分から13.4%増加し、その所得金額は8兆854億円で令和5年分から42.7%増加しました。

2.e-Taxを利用した所得税等の確定申告書の提出人員

令和6年分の所得税等の確定申告人員は2,338万人、うちe-Taxによる申告人員は1,731万9千人で、確定申告人員全体のうち74.0%がe-Taxを利用して確定申告書を提出しており、令和5年の69.0%(令和5年分の所得税等の確定申告人員2,324万人、うちe-Taxによる申告人員1,604万6千人)から7.9%増加しました。

令和6年分の所得税等の確定申告では申告人員は減少したものの納税額が増加しています。その要因としては、昨今の地価・株価の高騰の影響を引き続き受けている不動産や株式等の譲渡所得の増加があげられます。還付申告については、年々申告人員が増加していますが、こちらはふるさと納税などの寄附金控除の適用をうける申告人員の増加が要因となっているようです。令和2年分382万人と比較すると、令和6年分583万人は1.5倍となっており、ふるさと納税を含めた寄付金控除の制度が広く周知されたことによるものと推測されます。

また、e-Taxによる申告についても、マイナンバーカード、スマートフォンを活用した申告が増えたことにより、利用人員も前年と比較して増加しており、現状では申告人員の約4人に3人はe-Taxによる申告を行っていることになります。国税庁としてもマイナポータル連携の強化に注力しており、マイナポータル連携の利用を前提としたe-Taxによる申告については、令和5年分が191万人から119万人増加した310万人にまで令和6年分が増加(前年比62.4%)していること、確定申告会場や地方公共団体会場でもパソコンやスマートフォンからのe-Taxによる申告を推奨しており、今後もe-Taxによる申告の増加が予想されます。

(文責:税理士法人FP総合研究所)