【No1036】令和6年分の相続税の申告及び調査状況について

国税庁から令和6年分の「相続税の申告事績の概要」と「相続税の調査等の状況」が発表されました。

今回は相続税の申告状況と税務調査の状況についてご説明します。

1.相続税の申告事績の概要(令和6年11月~令和7年10月)                                     

亡くなられた方(被相続人)約161万人のうち、相続税の申告が必要となった方は約17万人となりました。課税割合は10.4%に達し、相続税の基礎控除額が引き下げられた平成27年以降で最高となりました。被相続人1人当たりでは、課税価格が約1億4,000万円、税額が約1,946万円となっています。また、近年の傾向として、相続財産に占める土地の割合が減少する一方で、現金・預貯金等の割合が増加しています。しかし、最新の令和6年分でも土地と家屋を合わせた割合は35.0%に達しており、不動産が占める割合は依然として高く、納税資金の確保や事前の相続対策が重要となってきます。

2.相続税の調査等の状況(令和6事務年度)                                     

実地調査件数は9,512件と前事務年度より1割以上増加し、年々増加傾向にあります。また、1件当たりの申告漏れ課税価格は3,093万円、1件当たりの追徴税額は867万円となりました。

上記のほか、令和6事務年度の特徴として、簡易な接触による調査(文書、電話による連絡又は来所依頼による面接)による件数が21,969件と過去最高値を更新しました。実地調査に至らないケースであっても計算誤りや申告漏れが厳格にチェックされています。

また、資産運用の国際化に伴い、海外資産に関する調査も強化されています。令和6事務年度において、海外資産関連事案に対する実地調査件数は1,359件と、前年度の947件から約1.4倍に急増しました 。租税条約等に基づく情報交換(CRS情報:共通報告基準に基づく非居住者金融口座情報)等が積極的に行われているため、海外財産の計上漏れにも注意が必要です。

申告漏れ相続財産の金額の構成比では、約43%が金融資産(現金・預貯金・有価証券)となっています。これは評価方法の解釈の違いが焦点となりやすい不動産よりも、金額がはっきりしていて計上漏れを指摘しやすい金融資産(特に家族名義の預貯金・株式等)が重点的に調査された結果と思われます。

(文責:税理士法人FP総合研究所)