【No1040】確定申告で誤りやすい事例
令和7年分の確定申告期間も佳境に入りましたが、今回は、確定申告で誤りやすい事例をいくつかご紹介いたします。
なお、納税が必要な方の申告・納付期限は、3月16日(月)となりますので、それまでに手続きを終えられるようお願いいたします。
1.副業の所得
年末調整が済んでいる給与所得者で、その給与以外の所得(雑所得など)の合計額が20万円以下の場合には、確定申告の必要はありません。
ただし、医療費控除や住宅ローン控除(入居初年度)などの適用を受けるために確定申告する場合には、副業の所得がたとえ20万円以下であったとしても、それらの所得も含めて確定申告する必要があります。
2.ふるさと納税のワンストップ特例の無効化
ふるさと納税は、原則として所得税と住民税の両方を通じて税金の控除を受けられる制度ですが、寄附先の自治体が5か所以内で、かつ、期限までにワンストップ特例の適用を各自治体へ申請した場合には、確定申告の必要はありません。この場合には、ふるさと納税による寄附金控除の全額を住民税から控除することとなり、この制度をワンストップ特例といいます。
ただし、医療費控除などの適用を受けるために確定申告する場合には、ワンストップ特例は無効となりますので、改めて、すべての寄附について寄附金控除の計算を行う必要があります。
なお、この場合には、原則として、寄附先の自治体から受け取った「寄附金の受領書」を確定申告書に添付する必要がありますので、ご留意ください。
3.ふるさと納税の返礼品
ふるさと納税の返礼品は、受け取った年分の一時所得となりますので、原則として確定申告が必要となります。
ただし、一時所得には、50万円の特別控除額がありますので、その年中の他の一時所得も含めた一時所得の総額が50万円を超えない限り課税対象とはなりません。
ここで注意していただきたいのは、『他の一時所得も含めた』一時所得の総額ということです。例えば、同年中に生命保険の解約返戻金などの一時所得に該当するものがある場合には、これらも合算して申告の有無を判定する必要があります。
4.医療費を補てんする保険金等
原則として、年間10万円を超えて医療費を支払った場合には、確定申告を行うことで、所得税と住民税の減額を受けられる医療費控除があります。
この場合に、医療費を補てんする高額療養費や高額介護合算療養費、出産育児一時金、生命保険会社・損害保険会社からの入院給付金などを受け取ったときは、支払った医療費から差し引いて医療費控除の適用額を計算します。
ただし、保険金などで補てんされる金額は、その給付の目的となった医療費の金額を限度として差し引きますので、引ききれない金額が生じた場合であっても、他の医療費から差し引く必要はありません。つまり、入院給付金を差し引く対象となる医療費は、あくまで入院時にかかったものだけで、その後の通院費から差し引く必要はありませんので、引き過ぎに注意しましょう。
5.REITは配当控除が受けられない
配当所得の申告において、上場株式の配当は、総合課税及び分離課税、申告不要の3つの課税方式から選択することができます。このうち、総合課税を選択した場合には、配当控除の適用を受けることができます。
そして、REIT(不動産投資信託)の分配金についても、上場株式の配当と同様に、3つの課税方式から選択することができますが、配当控除の適用を受けることはできません。
気をつけておきたいのは、『特定口座の源泉徴収あり』を選択している場合に配当控除の適用を受けようとするときです。このとき、特定口座年間取引報告書の『株式、出資又は基金』欄の金額を拾い出すことになりますが、上場株式の配当もREITの分配金もこの金額に合算されていますので、配当控除の適用にあたっては、ご自身でこの金額からREITの分配金を除外する必要があります。控除せずに確定申告した場合には、配当控除の過大適用となりますので、ご注意ください。
なお、同じような投資信託の分配金として、ETF(上場投資信託)の分配金がありますが、こちらは配当控除の対象(外国ETFは除きます。)となります。
(文責:税理士法人FP総合研究所)