【No548】永年勤続表彰記念品等を支給した場合の課税上の取り扱い
永年勤続表彰や創業記念などで従業員に記念品等を支給した場合の課税上の取扱いについて解説いたします。
1.課税上の取扱い
給与は、金銭で支給されるのが普通ですが、金銭以外による経済的利益(物品等の贈与や福利厚生施設の無償利用など)をもって支給される場合があります。
この経済的利益を一般に現物給与といい、原則として給与所得の課税対象となります。
ただし、創業記念で支給する記念品や永年にわたって勤務している人の表彰に当たって支給する記念品などは、次に掲げる要件をすべて満たしていれば、給与所得の課税対象外となります。
なお、記念品の支給や旅行・観劇への招待費用の負担に代えて現金、商品券、カタログギフトなどを支給する場合には、その全額(商品券の場合は券面額)が給与として課税されます。
また、本人が自由に記念品を選択できる場合にも、その記念品の価額が給与として課税されます。
(1)創業記念などの記念品
①支給する記念品が社会一般的にみて記念品としてふさわしいもの(社名入り文房具など)であること。
②記念品の処分見込価額による評価額が税抜 10,000 円以下であること。
③創業記念のように一定期間ごとに行う行事で支給をするものは、おおむね5年以上の間隔で支給するものであること。
(2)永年勤続者に支給する記念品や旅行・観劇への招待費用
①その人の勤続年数や地位などに照らして、社会一般的にみて相当な金額以内であること。
②勤続年数がおおむね10年以上である人を対象としていること。
③同じ人を2回以上表彰する場合には、前に表彰したときからおおむね5年以上の間隔があいていること。
(3)永年勤続者に支給する旅行券
①旅行の実施は、旅行券の支給後1年以内であること。
②旅行の範囲は、支給した旅行券の額からみて相当なもの(海外旅行を含みます。)であること。
③旅行券の支給を受けた者が当該旅行券を使用して旅行を実施した場合には、所定の報告書に必要事項(旅行実施者の所属・氏名・旅行日・旅行先・旅行社等への支払額等)を記載し、これに旅行先等を確認できる資料を添付して使用者に提出すること。
④旅行券の支給を受けた者が当該旅行券の支給後1年以内に旅行券の全部または一部を使用しなかった場合には、その使用しなかった旅行券を使用者に返還すること。
2.注意点
従業員に対する記念品などの支給において、上記の要件をすべて満たす場合であっても、特定の従業員のみに支給されている場合には、給与所得として課税されるおそれがあります。
そのため、勤続表彰制度を導入する際には、社内規定を整備し、対象者・支給条件・記念品の内容・金額などを定めることが重要です。
(文責:税理士法人FP総合研究所)