【No549】貸倒損失の損金算入要件

決算の時期になると、回収が滞っていたり回収不能状態となっている金銭債権について、貸倒損失の計上を検討することがあると思います。そこで今回は、法人税法上、損金算入が認められる金額や時期について解説します。

法人税法上、貸倒損失が損金算入できる金額および時期は、以下の3つのケースに限られます。

1.金銭債権が切り捨てられた場合(法律上の貸倒れ)

以下の事実に基づいて切り捨てられた金額については、その事実が生じた事業年度の損金の額に算入されることになります。

(1)会社更生法、金融機関等の更生手続の特例等に関する法律、会社法、民事再生法の規定より切り捨てられた金額

(2)法令の規定による整理手続によらない関係者(債権者集会、行政機関や金融機関等の斡旋)の協議決定におい

    て、合理的な基準によって切り捨てられた金額

(3)債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その金銭債権の弁済を受ける事ができない場合、その債務者に対

          して書面で明らかにした債務免除の額

2.金銭債権の全額が回収不能となった場合(事実上の貸倒れ)

金銭債権について、債務者の資産状況や支払能力等から、その全額が回収できないことが明らかになった場合には、その明らかになった事業年度において貸倒損失として損金経理することができます。

但し、担保物がある場合は、その担保物を処分した後でなければ損金経理はできません。

3.一定期間取引停止後に弁済がない場合等(形式上の貸倒れ)

次に掲げる事実が発生した場合には、その債務者に対する「売掛債権(※貸付金などは対象外)」について、その売掛債権から備忘価額(通常は1円)を控除した残額を貸倒れとして損金経理することができます。

(1)継続的な取引を行っていた債務者の資産状況や支払能力等が悪化したため、その債務者との取引を停止した場

          合において、取引停止の時と最後の弁済の時などのうち、最も遅い時から1年以上経過したとき

          ※上記規定は、あくまでも継続的取引を行っていたことが要件となりますので、例えば不動産取引のように、

    たまたま取引を行った債務者に対する当該売掛債権については、この規定は適用されません。

(2)同一地域の債務者に対する売掛債権の総額が、取立費用より少なく、かつ、支払いを督促しても弁済がない場合

(文責:税理士法人FP総合研究所)