【No1009】令和7年分の路線価が公表されました

令和7年7月1日に国税庁より令和7年分の路線価が公表されました。各地区の路線価の詳細等は、国税庁のホームページで閲覧することができます。現在のホームページでは、平成30年分から令和7年分までの路線価を確認することができます。

(国税庁の路線価の掲載ページ:https://www.rosenka.nta.go.jp/

1.路線価とは

路線価とは、土地の価格が概ね同一と認められる一連の土地が面している路線ごとに評価した1㎡当たりの価額をいいます。相続税や贈与税の申告のための財産評価を行う際の便宜及び課税の公平を図る観点から、毎年国税庁から公表されています。

毎年1月1日を評価時点として、地価公示価格、売買実例価額、不動産鑑定士等による鑑定評価額、精通者意見価格等を基として算定した価格の80%を目途に評価されます。

2.令和7年分の路線価の動向

路線価の全国平均は前年比で2.7%上昇し、4年連続の上昇となり、2010年以降で最も大きな上昇で、2年連続で過去最大の伸び率を更新しています。前年に引き続きインバウンド客よる影響、都心の物件価格高騰や、大都市圏の近郊も含めた再開発の活発化が上昇の要因でした。

令和7年分の都道府県庁所在都市の最高路線価では、前年と比較して上昇した都市は36都市(前年37都市)で、上昇率も高い傾向になります。また、下落した都市は1都市(前年1都市)で、全国的に上昇傾向であることがうかがえます。上昇率が10%を超えた都市はさいたま・千葉・京都・奈良で、都市部周辺の都道府県に上昇傾向がみられました。

なお、都道府県庁所在都市の最高路線価が全国で最も高かった都市は、今年も東京都中央区銀座の鳩居堂前で前年を8.7%上回り、3年連続の上昇となりました。

【令和7年分 都道府県庁所在都市の最高路線価(一部抜粋)】

3.今後の動向について 

上昇率が特に高い地点を確認すると長野県白馬村(32.4%)、北海道富良野市(30.2%)、東京都の浅草(29.0%)といった、リゾート地や観光地が目立ち、インバウンド需要が土地の価額に影響している傾向が続いています。また、熊本県菊陽町(22.6%)も世界的な半導体企業が建てられたことで上昇しています。積極的な外国人観光客の受け入れや、外国企業の誘致など、今後の政府の動向が、土地の価額にも影響を与えると考えられます。

(文責:税理士法人FP総合研究所)