【No1021】令和7年の基準地価の動向について
令和7年9月17日に令和7年の都道府県地価調査結果が公表されましたので、その内容をご紹介します。
1.基準地価とは
基準地価とは、国土利用計画法による土地取引の規制を適正かつ円滑に実施するため、基準地の毎年7月1日時点の地価について不動産鑑定士の評価を踏まえて都道府県知事が正常価格の判定をし、国土交通省が9月中頃に発表するものです。令和7年の調査対象の基準値数は、宅地が21,010地点、林地が431地点で全国の計21,441地点となっています。
なお、似たような調査に「地価公示」がありますが、こちらは地価公示法に基づいて、国土交通省土地鑑定委員会が、毎年1月1日時点における標準地の正常な価格を3月に公示しているものです。
2.変動率
令和5年から令和7年の基準地価を前年と比較した変動率は下記のとおりです。
3.調査の概要
全国平均の地価は、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも4年連続で上昇し、上昇率が拡大しました。
国土交通省は、住宅地の地価動向の特徴として「住宅需要は引き続き堅調であり、地価上昇が継続、特に東京圏や大阪圏の中心部において高い上昇を示している」、「リゾート地域等では、別荘・コンドミニアムや移住者、従業員向けの住宅需要を背景に、引き続き高い上昇を示している」、「子育てしやすい環境が整備され、転入者が多い地域では、堅調な住宅需要に支えられ、引き続き高い上昇を示している」と分析しています。また、商業地については「主要都市では、店舗・ホテル等の需要が堅調であり、オフィスについても空室率の低下傾向や賃料の上昇傾向によって収益性が向上していることから、地価上昇が継続している」、「マンション需要との競合が見られる地域では引き続き高い上昇を示している」、「特にインバウンドが増加した観光地等では、引き続き高い上昇を示している」、「再開発事業等が進展している地域では、利便性や賑わいの向上への期待感から、地価上昇が継続している」と分析しています。
三大都市圏においても、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも上昇が継続し、上昇率が拡大しましたが、東京圏及び大阪圏では上昇幅の拡大傾向が継続している一方で、名古屋圏では上昇幅がやや縮小しました。
4.全国における上昇率トップ10
○住宅地
○商業地
(文責:税理士法人FP総合研究所)