【No436】不動産(建物)を共同保有している場合の消費税インボイス制度への対応

 不動産を共同保有しているオーナーも多いかと思います。共有している不動産を売買・賃貸借している場合の消費税インボイス制度への対応、特に、適格請求書発行事業者とそれ以外の事業者とが共有している場合のインボイス制度対応についてはどのようにすれば良いのでしょうか?

 適格請求書発行事業者(課税事業者)とそれ以外の事業者(免税事業者)とが共有している不動産(建物)を売却や貸付けを行った場合には、適格請求書の交付はどのようにすれば良いでしょうか?国税庁のインボイスに関するQ&Aにおいては、以下の通りの記載があります。

【問】当社は、適格請求書発行事業者です。適格請求書発行事業者でない事業者と共有している建物を売却することになりましたが、適格請求書はどのように交付すればよいですか?

【答】適格請求書発行事業者が適格請求書発行事業者以外の者と資産を共有している場合、その資産の譲渡や貸付けについては、所有者ごとに取引を合理的に区分し、相手方の求めがある場合には、適格請求書発行事業者の所有割合に応じた部分について、適格請求書を交付しなければなりません。

  したがって、貴社は、建物の売却代金のうち、貴社の所有割合(例えば持分など)に対応する部分を基礎として、適格請求書を交付することとなります。

 国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A(平成30年6月(令和5年4月改訂))」より抜粋

1. インボイス発行側(売り手・貸主)の対応

 ① 課税事業者である売り手・貸主

  相手方の求めがある場合には、建物の譲渡・貸付対価のうち、課税事業者の所有割合(持分)に応じた部分について、要件を満たした適格請求書を発行する必要があります。

 ② 免税事業者である売り手・貸主

  売り手・貸主が免税事業者である場合には、建物の譲渡・貸付対価のうち、免税事業者の所有割合(持分)に応じた部分については適格請求書を発行することができません。

 ③ 課税事業者・免税事業者に共通する事項

  契約書・請求書を課税事業者と免税事業者とで一緒に発行している場合などについては、インボイス制度開始後の契約書の書式・請求書の発行方法等について、事前に買い手・借主との相談が必要になります。

2. インボイス受取り側(買い手・借主)の対応

 売り手・貸主にインボイスの発行を求める必要があります。しかしながら、売り手・貸主である不動産(建物)の共同所有者のうち免税事業者は、適格請求書を発行することができません。そのため、インボイス制度が始まると、経過措置はあるものの基本的には仕入税額控除を行うことができません。また、課税事業者から発行される契約書・請求書が、インボイス制度の要件を満たしているか、事前に確認する必要があります。

(文責:税理士法人FP総合研究所)