【No530】年金制度改正の全体像 ~その5 私的年金制度の見直し~
令和7年5月16日、「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案」が通常国会に提出され、衆議院での修正のうえ、6月13日に成立しました年金制度改革法について、今回は制度の私的年金制度の見直し(iDeCoの加入可能年齢の引上げ)について説明致します。
【1】改正のねらい
現在の制度では、iDeCoに加入できる方は、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給していない国民年金の被保険者に限られており、働き方により何歳まで加入できるかについて、上限の年齢に差が生じています。このため、働き方に関係なく、誰もが長期的に老後資金を形成でき、かつ加入者にとってシンプルでわかりやすい制度となるように加入要件が拡充されました。
【2】見直し内容(公布から3年以内の政令で定める日施行)
現在の要件に加え、公的年金への保険料を納めつつ、上乗せとしての私的年金に加入してきた者が、60歳から70歳にかけて引き続き老後の資産形成を継続できるようにするため、60歳以上70歳未満のiDeCoを活用した老後の資産形成を継続しようとする者であって、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給していない者にiDeCoの加入・継続拠出が認められました。
「見直し後のiDeCo加入者の対象範囲」
①国民年金被保険者(現行要件)
②iDeCoの加入者・運用指図者
③企業型DC等の私的年金の資産をiDeCoに移換する者
上記①~③であって、かつ老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給していない者
【出典:厚生省HP:年金制度改正法が成立しました より】
(文責:税理士法人FP総合研究所)