【No537】税務行政におけるオンラインツールの利用について(税務調査のオンライン化)
国税庁は税務調査等の業務でオンラインツールを利用することを公表しました。令和7年10月より金沢国税局・福岡国税局において利用を開始しており、その他の国税局においても順次利用を拡大するとしています。
1.概要
国税庁は、納税者の利便性向上や税務行政の効率化を図る観点から、税務行政のデジタル・トランスフォーメーション(デジタルを活用した、国税に関する手続や業務の在り方の抜本的な見直し)に取り組んでいます。
令和7年9月以降、デジタル庁が提供する政府共通の業務実施環境であるGSS(ガバメントソリューションサービス)を順次導入しており、GSSにおいて提供されるオンラインツール(インターネットメール、Web会議システム(Microsoft Teams)、オンラインストレージサービス(PrimeDrive)及びアンケート作成ツール(Microsoft Forms))を必要に応じて業務利用することとしています。
本取組については、下図のようなものがあります。
なお、オンラインツールの利用については、税務署及び国税局の担当者と利用者双方の合意の下で利用することとされています。

【出典:国税庁 税務行政におけるオンラインツールの利用について
(https://www.nta.go.jp/about/introduction/torikumi/onlinetool/index.htm/)】
2.税務調査等における利用
税務調査等の際にも、必要に応じて上記のようなオンラインツールを利用するとしています。
ただし、利用者がオンラインツールの利用を希望した場合であっても、国税当局の判断により、対面での税務調査等を実施する場合もあるとしています。
また、オンラインツールは税務調査のほか、行政指導、滞納整理及び査察調査等も必要に応じて利用するとしています。(Web会議システム(Microsoft Teams)については、滞納整理及び査察調査以外で利用)

【出典:国税庁 別添 オンラインツールの利用等】
3.税務調査のオンライン化による影響
今後、税務調査は対面形式ではなく、オンラインで実施されるケースが増加すると考えられます。調査の本質的な内容自体は大きく変わらないと考えられますが、従来のように調査官が実際に訪問して証憑類を確認し、不明点を聴取する形式から、事前に電子データを確認した上で、オンライン会議などで不明点を聴取する形式へと移行するケースが増えると考えられます。
(文責:税理士法人FP総合研究所)