【No578】災害に関する主な税務上の取扱いについて
近年、全国各地で台風や局地的な豪雨、地震などの自然災害が相次いでいます。ご参考までに災害時の主な税務上の取扱いをご紹介いたします。
1.災害により滅失・損壊した資産等(法人税および所得税共通)
法人の有する商品、店舗、事務所等の資産が災害により被害を受けた場合に、その被災に伴い次のような損失または費用が生じたときには、その損失または費用の額は損金の額に算入されます。
なお、事業を営む個人の有する事業用資産についても、同様となります。
① 商品や原材料等の棚卸資産、店舗や事務所等の固定資産などの資産が災害により滅失または損壊した場合の損失の額
② 損壊した資産の取壊しまたは除去のための費用の額
③ 土砂その他の障害物の除去のための費用の額
2.資産の評価損(法人税)
法人の有する棚卸資産、固定資産または一定の繰延資産につき災害による著しい損傷が生じたことにより、その時価が帳簿価額を下回ることとなった場合には、帳簿価額と時価との差額につき、損金経理をすることにより、評価損を計上して損金の額に算入することができます。
3.復旧のために支出する費用(法人税および所得税共通)
法人が、災害により被害を受けた固定資産(以下「被災資産」といいます。)について支出する次のような費用に係る資本的支出と修繕費の区分については、次のとおりとなります。
① 被災資産についてその原状を回復するための費用は、修繕費となります。
② 被災資産の被災前の効用を維持するために行う補強工事、排水または土砂崩れの防止等のために支出する費用について、修繕費とする経理をしているときは、この処理が認められます。
③ 被災資産について支出する費用(①または②に該当するものを除きます。)の額のうち、資本的支出か修繕費か明らかでないものがある場合、その金額の30%相当額を修繕費とし、残額を資本的支出とする経理をしているときは、この処理が認められます。
なお、これらの取扱いは、事業を営む個人においても同様となります。
4.従業員等に支給する災害見舞金品(法人税および所得税共通)
法人が、災害により被害を受けた従業員等またはその親族等に対して一定の基準に従って支給する災害見舞金品は、福利厚生費として損金の額に算入されます。
また、法人が、自己の従業員等と同等の事情にある専属下請先の従業員等またはその親族等に対して一定の基準に従って支給する災害見舞金品についても、同様に損金の額に算入されます。
なお、事業を営む個人においても同様に取り扱われます。
5.取引先に対する災害見舞金等(法人税)
法人が、被災前の取引関係の維持・回復を目的として、取引先の復旧過程においてその取引先に対して行った災害見舞金の支出、事業用資産の供与等のために要した費用は、交際費等に該当しないものとして損金の額に算入されます。
6.取引先に対する売掛金等の免除等(法人税)
法人が、災害を受けた取引先の復旧過程において、復旧支援を目的として売掛金、貸付金等の債権を免除する場合には、その免除することによる損失は寄附金または交際費等以外の費用として損金の額に算入されます。
また、既契約のリース料、貸付利息、割賦代金の減免を行う場合および災害発生後の取引につき従前の取引条件を変更する場合も、同様に取り扱われます。
7.自社製品等の被災者に対する提供(法人税)
法人が、不特定または多数の被災者を救援するために緊急に行う自社製品等の提供に要する費用は、寄附金または交際費等に該当しないもの(広告宣伝費に準ずるもの)として損金の額に算入されます。
【出典:国税庁「災害に関する主な税務上の取扱いについて」、「災害により被害を受けたときの法人税の取扱い」】
(文責:税理士法人FP総合研究所)