【No191】新型コロナウイルスワクチン接種業務に従事する医療職の 被扶養者の収入確認特例について

 厚生労働省は、令和3年6月4日付けで追加の事務連絡「新型コロナウイルスワクチン接種業務に従事する医療職の被扶養者の収入確認の特例ついて(周知)」を発表しました。医療機関においていわゆる「130万円の壁」の範囲内で働く有資格者が対象となる制度で、ワクチン接種業務に係る賃金が社会保険における被扶養者の収入判定に含めないものとする特例となっていますのでご注意ください。

 ※「130万円の壁」とは、社会保険に加入する義務が生じる基準です。給与収入が130万円を超えると配偶者の社会保険上の扶養ではなくなり、ご自身で健康保険に加入し保険料を納める必要があります。

1.内容

(1) 対象者

 本特例措置の対象者は、ワクチン接種業務に従事する医療職(医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士及び救命救急士)となっています。

 ※ワクチン接種会場の受付・医療機関の受付等は本特例措置の対象外となっています。

(2)対象となる収入

 本特例措置の対象となる収入は、高齢者向けのワクチン接種が始まった令和3年4月からワクチン接種の実施期間である令和4年2月までのワクチン接種業務に対する賃金となります。

 また、各保険者においては、被扶養者認定及び被扶養者の資格確認において 対象者の収入を確認する際、被保険者から、ワクチン接種業務を行う事業者・ 雇用主(市(区)町村、医療機関等)から発行された、ワクチン接種業務に従事したこと及びワクチン接種業務による収入額を証する書類(様式1)の添付を求めることとします。なお、今般のワクチン接種の緊要性に鑑み、各保険者の判断により当該書類の添付を不要とする取扱いとしても差し支えありません。

厚生労働省「6月4日 通知・事務連絡

2.Q&A(抜粋)

【制度等について】

Q1 新型コロナウイルスワクチン接種業務に従事する医療職の被扶養者の収入認の特例とは、どのような内容ですか。

A1 健康保険法の被扶養者認定の要件のうち、「主としてその被保険者による生計を維持するもの」に該当するか否かの判定については、厚生労働省から、被扶養者(認定対象者を含む。以下同じ。)の年間収入が130 万円未満(認定対象者が 60 歳以上の者である場合又は概ね厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合にあっては180万円未満)であって、かつ、

①被保険者の年間収入の2分の1未満である場合は、原則として被扶養者に該当するものとすること、②被保険者の年間収入を上回らない場合には、当該世帯の生計の状況を総合的に勘案して、当該被保険者がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認められるときは、被扶養者に該当するものとして差し支えないこと、という取扱いを示しています。 また、各保険者が被扶養者認定及び被扶養者の資格確認の際に、被扶養者の収入を確認するに当たっては、被扶養者の過去の収入、現時点の収入又は将来の収入の見込みなどから、今後1年間の収入を見込むものとしており、この年間収入については、給与収入、年金等の被扶養者の収入(又はその予定の収入)の状況により算定することとしています。 今般の特例措置は、本年の新型コロナウイルスワクチン接種業務については、 例年にない対応として、期間限定的に行われるものであり、また、特にワクチン 接種業務に従事する医療職の確保が喫緊の課題となっているという特別の事情 を踏まえ、医療職がワクチン接種業務に従事したことによる給与収入については、 被扶養者の収入確認の際には年間収入に算定しないという特例を講ずるものです。

 

Q2 特例措置は被扶養者の年間収入が 130 万円未満であるか否かを判定する際のみに適用されるのでしょうか。被扶養者認定の要件のうち、生計維持要件においては、被保険者の年間収入との比較も行っています。この際の被扶養者の年間収入にはどのように算定するのでしょうか。
A2 今般の特例措置は、本年の新型コロナウイルスワクチン接種業務の緊要性に鑑み、医療職がワクチン接種業務に従事したことによる給与収入について、被扶養者の収入確認の際の年間収入に算定しないというものです。この扱いは、年間収入が130 万円未満であるか否かの判定のみではなく、被保険者の年間収入との比較においても同様の扱いとなります。

 

対象者について】

Q3 特例措置は、どのような方が対象になるのでしょうか。
A3 本特例措置の対象者は、新型コロナワクチン接種業務に従事する医療職(医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士及び救急救命士)となります。 具体的には、ワクチン接種会場や医療機関において、直接ワクチンの注射や予診(予診のサポートを含む。)、ワクチンの調整、接種後の経過観察等に有資格 者として従事する医療職の方が対象となります。

 

Q4 医療職ではありませんが、新たにワクチン接種会場の受付、医療機関の受付等で勤務しようとしています。特例措置の対象となるのでしょうか。
A4 特例措置の対象とはなりません。

 

Q5 看護師の有資格者ですが、新たにワクチン接種会場の受付、医療機関の受付等で勤務しようとしています。特例措置の対象となるのでしょうか。
A5 ワクチン接種会場や医療機関において、直接ワクチンの注射や予診(予診のサ ポートを含む。)、ワクチンの調整、接種後の経過観察等に有資格者として従事する場合には特例の対象となりますが、その他の場合は特例措置の対象とはなりません。

 

Q6 看護師の有資格者ですが、看護師としてではなく事務職として医療機関の受付等で勤務しています。雇用契約には変更はありませんが、ワクチン接種に伴って残業が増加しています。特例措置の対象となるのでしょうか。

A6 特例の対象とはなりません。 一方で、被扶養者の収入確認に当たっては、「被扶養者の収入の確認における留意点について」(令和2年4月 10 日付け厚生労働省保険局保険課事務連絡) において、以下のような取扱いを示しているため、適切に対応いただきますようお願いします。

・例えば、認定時(前回の確認時)には想定していなかった事情により、一時的に収入が増加し、直近3ヶ月の収入を年収に換算すると 130 万円以上となる場合であっても、直ちに被扶養者認定を取消すのではなく、過去の課税証明書、 給与明細書、雇用契約書等と照らして、総合的に将来収入の見込みを判断すること 

・ 被扶養者認定を受けている方の過去1年間の収入が、昇給又は恒久的な勤務時間の増加を伴わない一時的な事情等により、その 1 年間のみ上昇し、結果的に130 万円以上となった場合においても、原則として、被扶養者認定を遡って取り消さないこと

 

【対象となる収入について】

Q7 特例措置の対象となる収入は何ですか。
A7 特例措置の対象となる収入は、高齢者向けの新型コロナワクチン接種が始まった令和3年4月からワクチン接種の実施期間である令和4年2月末までのワクチン接種業務に対する賃金となります。(インフルエンザウイルスワクチン等、 他のワクチン接種業務に対する賃金は対象となりません。)

 

Q8 ワクチン接種会場で看護師としてワクチン接種業務に従事しました。日給2万円で5日間勤務したのですが、対象収入はどうなりますか。
A8 ご質問のケースでは、日給2万円×5日間の 10 万円が特例措置の対象となります。

 

Q9 ワクチン接種会場への交通費が支給された場合、この交通費は特例措置の対象 となりますか。
A9 交通費についても特例措置の対象となります。

厚生労働省「6月4日 通知・事務連絡

(文責:税理士法人FP総合研究所)