【No575】 決算期の変更について
会社の経営状況や経済環境などに応じて、決算期の変更を検討することがあると思います。
そこで今回は、決算期変更の手続きやメリット・デメリットなどについて解説します。
1.決算期変更の手続き
以下の3つが主な流れとなります。
(1)株主総会の開催・決議
設立時に定めた決算期は会社の定款に記載されていることが一般的であり、その変更にあたっては、株主総会で決議する必要があります。尚、変更の登記は不要です。
又、定款変更は会社の重要事項であるため、特別決議(※)を経る必要があります。
※特別決議とは、定款の変更や解散・合併などの会社の重要事項を決定するために、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成により成立する、通常よりも厳しい決議をいいます。(会社法第309条第2項)
(2)定款の変更
特別決議がなされたら、株主総会議事録を作成して、該当部分を書き換えた定款と一緒に保管します。
(3)各役所への異動届
定款の変更が完了すると、所轄の税務署・都道府県・市町村に「異動届出書」を提出します。
提出の際には、変更後の定款及び株主総会議事録の写しを添付します。
2.決算期変更のメリット
(1) 繁忙期の回避
決算業務を繁忙期から閑散期に変更することによって、余裕を持って決算業務を行うことができ、ミスの防止に繋がります。
(2) 資金繰りの調整
法人税や消費税などは原則、決算日から2か月以内に申告・納税を行う義務があります。
会社の資金が不足しやすい月と納税する月が重なることを避けるために決算期を変更することによって、資金繰りの安定化に繋がります。
(3) 業績の変動への柔軟な対応
会社の業績が予想外に伸びたり、或いは悪化した場合に決算期を変更することによって、役員報酬の変更のタイミングを早めて適切な金額に改定するなど、経営の安定化に繋がります。
3.決算期変更のデメリット
(1) 業績比較の複雑化
決算期変更を行った初年度は事業年度が12か月未満となる為、事業年度ごとの業績比較が難しくなります。
(2) 手続きやコストの発生
株主総会での決議や定款変更、各役所への届出書の提出の手続きが必須となり、書類の作成を専門家に依頼する場合は費用が発生することもあります。また、決算期変更の初年度は事業年度が短くなるため、決算日が通常よりも早く到来して、一時的に事務負担が増えます。
4.その他の注意点
(1) 消費税課税事業者の判定への影響
消費税は原則、基準期間の課税売上高が1,000万円を超えると課税されます。
決算期変更の初年度の場合は事業年度の月数が12か月未満となるため、12か月に年換算して1,000万円を超えているか判定するため、注意が必要です。
(2) 融資先などの取引先への連絡
決算スケジュールが変わるため、融資を受けている金融機関などへの連絡は必要となります。また、その他の取引先にも通知が必要となることがあります。
(文責:税理士法人FP総合研究所)