【No939】令和4事務年度の所得税等の調査等の状況

 国税庁から令和4事務年度(令和4年7月~令和5年6月)の所得税及び消費税調査等の状況が公表されました。

https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2023/shotoku_shohi/pdf/shotoku_shohi.pdf

1.所得税の調査等の状況

 所得税の調査等件数は63万7,823件(前事務年度59万9,747件)で、そのうち実地調査の件数は4万6,306件(前事務年度3万1,407件)といずれも増加しました。

 申告漏れ所得金額は9,041億円(前事務年度7,202億円)で、そのうち実地調査の申告漏れ所得金額は5,594億円(前事務年度4,198億円)といずれも増加しました。

 追徴税額は1,368億円(前事務年度1,058億円)で、そのうち実地調査の追徴税額は1,015億円(前事務年度804億円)といずれも増加しました。

所得税の調査等の状況】

※簡易な接触とは、原則、納税者宅等に臨場することなく、文書、電話による連絡又は来署依頼による面接を行い、申告内容を是正するものです。

2.消費税の調査等の状況

 消費税(個人事業者)の調査等件数は9万3,985件(前事務年度8万5,199件)で、そのうち実地調査の件数は2万5,513件(前事務年度1万6,908件)といずれも増加しました。

 追徴税額は396億円(前事務年度312億円)で、そのうち実地調査の追徴税額は336億円(前事務年度241億円)といずれも増加しました。

消費税の調査等の状況】

3.主な取り組み

 資産運用の多様化・国際化が進んでいることを念頭に、富裕層に対する調査を積極的に実施されています。富裕層に対する追徴税額は183億円(前事務年度238億円)で前年比からは減少しています。

 また、海外投資等を行っている個人に対する調査、シェアリングエコノミー等新分野の経済活動に係る取引を行う個人に対する調査や暗号資産(仮想通貨)等取引を行っている個人に対する調査などを積極的に実施されています。海外投資等を行っている個人の1件当たりの申告漏れ所得金額は、過去最高だった昨年をさらに上回る3,720万円(前事務年度3,690万円)となっています。

 事業所得を有する個人の1件当たりの申告漏れ所得が高額な業種は、前事務年度と同様に、経営コンサルタントが1位となっています。

 虚偽の内容を記載した申告書を提出し、所得税の還付を不正に受ける事案が急増したことから、今回より所得税の不正還付申告書の課税処理の調査の状況が公表されるようになりました。

 (文責:税理士法人FP総合研究所)