【特別編】新型コロナウィルス感染症緊急経済対策 ~税制面からの支援について~その3

資金繰りからの支援:概要

資金繰り対策を、各制度ごとにまとめて記載しています。セクションごとの概要は下記のとおりです。

  • 民間金融機関による信用保証付融資について

売上高等の減少を条件として、下記、政府系融資と同様に保証料補助(軽減又はゼロ)と、3年間の利子補給等が適用されます。

  • 政府系金融機関による融資について

①基準金利による一般の貸付

②コロナウィルス感染症対策による融資

③②については、一定の金額(個人・小規模事業者は最大3,000万円まで)、期間は3年間、利子補給が適用されます。

(注)新型コロナ感染症対策に関する融資等については、各地方自治体独自の融資枠等もあります。各自治体のお知らせ等についても合わせてご確認ください。

資金繰り支援内容一覧(令和2年4月1日時点)

民間金融機関による信用保証付融資

民間金融機関による信用保証付融資
一般保証枠=2.8億

セーフティネット(SN)

保証4号・5号

一般保証とは別枠(最大2.8億円)で保証

4号は全国都道府県を対象に100%保証

5号は影響を受けている業種(全業種)を対象に80%保証。

危機関連保証

左記セーフティネット保証とはさらに別枠(最大2.8億円)で、全国・全業種を対象に100%保証

最大で5.6億円の信用保証枠を一般保証枠とは別枠で確保

SN保証枠=2.8億円

4号:全都道府県100%保証

5号:全業種80%保証

危機関連保証枠=2.8億円

100%保証(全業種※)

※信用保証協会にて定める業種

信用保証付融資における保証料・利子減免※緊急経済支援対策

上記特別枠に関して、一定の要件のもと保証料の減免、無利子制度あり

【セーフティネット4号・5号】※新型コロナウィルス感染症にかかる認定基準の運用緩和内容

経営の安定に支障が生じている中小企業を、一般保証とは別枠で保証の対象とする制度。

SN4号:全都道府県を対象として指定

SN5号:全業種が対象

※対象となる者:業歴1年以上の者に加えて、新型コロナウィルス感染症の影響を受け、経営の安定に支障を生じている次の方

業歴3ヶ月以上1年1ヶ月未満の事業者

前年以降の店舗増加等によりって、単純な売上高等の前年比較では認定が困難な事業者

※認定基準:新型コロナウィルスの影響受ける前などを基準として比較(下記①~③のいずれかを満たせばOK)SN4号は▲20%以上、SN5号は▲5%以上

①最近1ヶ月の売上高等と最近1ヶ月を含む最近3ヶ月間の平均売上高等を比較

②最近1ヶ月の売上高等と令和元年12月の売上高等を比較+その後2ヶ月間(見込み)を含む3ヶ月の売上高等と令和元年12月の売上高等の3倍を比較

③最近1ヶ月の売上高等と令和元年の10~12月の平均売上高等を比較+その後2ヶ月間(見込み)を含む3ヶ月の売上高等と令和元年10~12月の3ヶ月を比較

【危機関連保証】※新型コロナウィルス感染症にかかる認定基準の運用緩和内容

自然災害や大規模な経済危機時おいて、一般保証枠やセーフティネット保証枠とは別に100%を保証する制度

認定基準:新型コロナウィルス感染症による支援により、上記セーフティネット同様認定基準が緩和されています。上記①~③のいずれかにおいて▲15%以上

【保証料・利子の減免】緊急経済支援対策:下記条件を満たせば保証料補助と利子補給が実施されます。

①個人事業主(事業性のあるフリーランスを含み、小規模に限る)

売上高等前年同月比▲5%以上・・・・保証料ゼロ+金利ゼロ

②小・中規模事業者(①除く)

(イ)売上高等前年同月比▲5%以上・・・保証料1/2(ロ)売上高等前年同月比▲15%以上・・・保証料ゼロ+金利ゼロ

その他:

融資上限=3,000万円・無担保・据置期間=5年以内・利子補給期間=当初3年間

信用保証制度

「信用保証制度」は、中小企業・小規模事業者のための制度であり、保証を利用するためには3つの基準を満たしている必要があります。それは、「企業規模」「業種」「区域・業歴」です。

1.企業規模(資本金又は従業員数のいずれかが合致していること、個人事業主は、従業員数が該当すること

業種 資本金 従業員数(小規模企業者)

製造業等

 

(建設業、運送業、不動産業を含む)

3億円以下

300人以下(20人以下)

ゴム製品製造業

(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く)

3億円以下

900人以下(20人以下)

卸売業

1億円以下

100人以下(5人以下)

下記以外

5,000万円以下

100人以下(5人以下)

サービス業

 

ソフトウェア業・情報処理サービス業

3億円以下

300人以下(20人以下)

旅館業

5,000万円以下

200人以下(20人以下)

医業を主たる事業とする法人

300人以下(20人以下)

※組合は、当該組合が保証対象事業を営むもの、または、その構成員の3分の2以上が保証対象事業を営んでいれば対象となります。

※小規模企業者とは、常時使用する従業員の数が20人以下(一部の業については5人以下)の会社または個人等をいいます。

2.業種

大半の商工業の業種は保証対象となりますが、農林漁業や金融業などの一部の業種は保証対象外となります。また、許認可・届出書を要する事業を営んでいる場合は、当該事業に係る許認可等を受けていることが必要です

3.区域・業歴

原則として、各信用保証協会の管轄区域で事業を営んでいる必要があります。申込先の信用保証協会が管轄する都道府県(市)において、事業実態があることが条件となります。また、保証制度により要件として業歴が定められている場合があります。

政府系金融機関による融資

政府系金融機関による融資※3段階の支援
金利引き下げなし 金利▲0.9%引下げ 実質無利子融資

セーフティネット貸付

基準金利

中小事業:1.11%

国民事業:1.91

●新型コロナウィルス感染症特別貸付

●新型コロナウィルス対策マル経融資

●危機対応融資(商工組合中央金庫対応)

利下げ限度額は3制度の合計で3,000万円(中小事業は1億円)商工中金危機対応融資1億円

特別利子補給制度(3年間)

対象要件

個人事業主:要件なし

小規模(法人):売上高▲15%減

中小企業:売上高▲20%減

【セーフティネット貸付】※新型コロナウィルス感染症にかかる貸付要件が緩和されています。

※融資限度額:中小事業7.2億円、国民事業4,800万円※貸付期間:設備=15年以内、運転=8年以内※据置期間:3年以内※基準金利:令和2年4月1日現在=中小事業1.11%、国民事業1.91%(貸付期間5年の条件です。貸付期間や担保の有無等により変動します。)

【新型コロナウィルス感染症特別貸付】※信用力や担保によらず一律金利とし、融資後の3年間まで▲0.9%とし、据置期間は最長5年

※対象者:次の①又は②のいずれかに該当する者

①最近1ヶ月の売上高が前年又は前々年の同期と比較して5%以上減少した者

②業歴3ヶ月以上1年1ヶ月未満の場合、または店舗増加や合併、業種の転換など、売上増加に直結する設備投資や雇用等の拡大を行っている企業(ベンチャー・スタートアップ企業を含む)など、前年(前々年)同期と単純に比較できない場合等は、最近1ヶ月の売上高が、次のいずれかと比較して5%以上減少している者

a:過去3ヶ月(最近1ヶ月を含む)の平均売上高b:令和元年12月の売上高c:令和元年10月~12月の売上高平均額

※担保:無担保※融資限度額(別枠):中小事業3億円、国民事業6,000万円※貸付期間:設備=20年以内、運転=15年以内※据置期間:5年以内

金利:当初3年間=基準金利▲0.9%(中小事業1.11%⇒0.21%、国民事業1.36%⇒0.46%4年目以降=基準金利

※当初3年間の利下げ限度額=中小事業1億円、国民事業3,000万円

【危機対応貸付け新型コロナウィルス対策マル経融資】※経営指導を受けた小規模事業者に対して、日本政策金融公庫等が無担保・無保証人で融資を行う制度。

※対象者:最近1ヶ月の売上高が前年または前々年の同期と比較して5%以上減少している小規模事業者

※融資限度額(別枠):1,000万円※据置期間:設備:4年以内、運転=3年以内※金利:当初3年間=経営改善金利1.21%より▲0.9%

【商工中金による機器対応融資】※商工組合中央金庫が行う資金繰り支援制度。信用力や担保によらず一律金利とし、融資後の3年間まで▲0.9%とし、据置期間は最長5年

※対象者・担保・貸付期間・金利=上記新型コロナウィルス感染症特別貸付と同様※融資限度額:3億円※当初3年間の利下げ限度額=1億円

【特別利子補給制度】緊急経済支援対策:下記条件を満たせば利子補給(3年間)が実施されます。

①個人事業主(事業性のあるフリーランスを含み、小規模に限る):要件なし

②小規模事業者(法人):売上高▲15%減少

③中小企業者(上記①②を除く事業者):売上高▲20%減少

※小規模要件:製造業・建設業・運輸業・その他業種は従業員20名以下、卸売業・小売業・サービス業は従業員5名以下

※利子補給上限:公庫等=中小事業1億円、国民事業3,000万円、商工中金=危機対応融資1億円

利子補給上限額は新規融資と公庫等の既往債務借換との合計金額

政府系金融機関による融資(生活衛生関係事業者向け)

生活衛生関係の事業者の方には、一般の中小企業・小規模事業者向け融資制度に加えて、以下の支援策が活用可能です。

金利引下げなし 金利▲0.9%引下げ 実質無利子融資
 

●生活衛生新型コロナウィルス感染症特別貸付

●新型コロナウィルス対策衛経

衛生環境激変対策特別貸付

振興計画の認定を受けた生活衛生同業組合の組合の方については、基準金利(1.91%)を▲0.9%引き下げ、飲食店・喫茶店営業の方は別枠1,000万円、旅館業の方は別枠3,000万円まで融資

特別利子補給制度(3年間)

対象要件

個人事業主:要件なし

小規模(法人):売上高▲15%減

中小企業:売上高▲20%減

【衛星環境激変対策特別貸付】生活衛生関係営業者への日本政策金融公庫国民生活事業の特別貸付制度※新型コロナウィルス感染症にかかる貸付要件が緩和されています。

※対象者:旅館業、飲食店営業及び喫茶店営業を営む、次のいずれにも該当する者

①最近1ヶ月の売上高が前年又は前々年の同期と比較して10%以上減少しており、かつ、今後も減少が見込まれること

②中長期的に業況が回復し発展することが見込まれること。

※融資限度額(別枠):1,000万円(旅館業は3,000万円)※貸付期間:7年以内※据置期間:2年以内※基準金利:1.91%(ただし、要件該当により▲0.9%)

【生活衛生新型コロナウィルス感染症特別貸付】※信用力や担保によらず一律金利とし、融資後の3年間まで▲0.9%とし、据置期間は最長5年

※対象者:生活衛生関係の事業を営む、次の①又は②のいずれかに該当する者

①最近1ヶ月の売上高が前年又は前々年の同期と比較して5%以上減少した者

②業歴3ヶ月以上1年1ヶ月未満の場合、または店舗増加や合併、業種の転換など、売上増加に直結する設備投資や雇用等の拡大を行っている企業(ベンチャー・スタートアップ企業を含む)など、前年(前々年)同期と単純に比較できない場合等は、最近1ヶ月の売上高が、次のいずれかと比較して5%以上減少している者

a:過去3ヶ月(最近1ヶ月を含む)の平均売上高b:令和元年12月の売上高c:令和元年10月~12月の売上高平均額

※担保:無担保※融資限度額(別枠):6,000万円※貸付期間:設備=20年以内、運転=15年以内(振興計画認定組合の組合員のみ)※据置期間:5年以内

金利:当初3年間=基準金利▲0.9%(1.36%⇒0.46%貸付期間5年の場合)4年目以降=基準金利

※当初3年間の利下げ限度額=3,000万円

【新型コロナウィルス対策衛経】※経営指導を受けている小規模事業者向け融資制度(無担保・無保証人)※新型コロナウィルス感染症にかかる特例措置

※対象者:最近1ヶ月の売上高が前年または全同年の同期と比較して5%以上減少している小規模事業者

※融資限度額(別枠):1,000万円※貸付期間:設備=10年以内運転=7年以内※据置期間:設備=4年以内運転=3年以内

※金利:当初3年間=経営改善利率1.21%▲0.9%※当初3年間の利下げ限度額=3,000万円(新型コロナウィルス感染症特別貸付、新型コロナウィルス対策マル経融資、生活衛生新型コロナウィルス感染症特別貸付との合計で3,000万円)

【特別利子補給制度】緊急経済支援対策:下記条件を満たせば利子補給(3年間)が実施されます。

①個人事業主(事業性のあるフリーランスを含み、小規模に限る):要件なし

②小規模事業者(法人):売上高▲15%減少

③中小企業者(上記①②を除く事業者):売上高▲20%減少

※小規模要件:卸売業・小売業・サービス業は従業員5名以下

※利子補給上限:3,000万円利子補給上限額は新規融資と公庫等の既往債務借換との合計金額

その他の資金繰り支援

小規模企業共済制度の特例緊急経営安定貸付

※資金繰りに支障をきたしている小規模企業共済の契約者に対して、中小企業基盤整備機構が経営の安定を図るために事業資金を貸付ける制度です。

対象者

新型コロナウィルス感染症の影響を受けて、業績が悪化したことにより最近1ヶ月の売上高が前年又は前々年の同期と比較して5%以上減少している小規模企業共済の貸付資格を有する契約者

貸付限度額

2,000万円(ただし、契約者が納付した掛金の総額の7~9割の範囲内)

金利・担保

無利子・無担保(無保証人)

償還期間

貸付金額500万円以下の場合には4年、貸付金額が505万円以上の場合は6年

※いずれも据置期間1年を含む

償還方法

6ヶ月ごとの元金均等割賦償還

 

小規模企業共済制度、契約者貸付利用者の延滞税の免除

対象者

令和2年4月7日時点で契約者貸付を受けている契約者で下記に該当する場合には、延滞利子を約定償還日から1年間免除(ただし、令和2年3月1日以降の借入が対象)。

●新型コロナウィルス感染症の影響を受けて、業績が悪化したことにより最近1ヶ月の売上高が前年又は前々年の同期と比較して5%以上減少している場合。

 

小規模企業共済制度における掛金の納付期限の延長等(①又は②の選択)

対象者

新型コロナウィルス感染症の影響を受けて、業績が悪化したことにより最近1ヶ月の売上高が前年又は前々年の同期と比較して5%以上減少している小規模企業共済契約者。

内容

①掛金の納付期限の延長:掛け金の納付期限を最大6ヶ月延長し、この期間の掛金の納付を停止する。

②掛金月額の減額:掛金月額を、1,000円~70,000円の範囲内(500円単位)で選択。