【No427】中小企業経営者が毎月確認すべき経営指標 その5

 企業経営者は、現在の自社の業績と外部環境とを勘案し、経営の意思決定を速やかに行う必要があります。そのためには、自社の現在の業績は常に把握しておかなければなりません。このためには、読み解くことが難解な財務諸表を可視化し、感覚的に理解することが欠かせません。そこで、自社の業績を的確に把握するためのツールを5回にわたってご紹介いたします。

 第5回目は、会社が本当に使えるお金はどのぐらい有るのか?を理解するための「資金別貸借対照表」です。

資金別貸借対照表

 会社が保有する現金や預金は、貸借対照表の「現預金」を見ればその残高が確認できます。しかしながら、会社が保有してるその現預金をどの程度使っても良いのかを判断するのは困難です。そこで、本来は色が付いていない会社の現金に色付けを行った「資金別貸借対照表」を利用すれば、会社が保有している現預金が安定しているのか、あるいは、すぐに底をつきそうな危険な状態なのかを判断することができます。

 資金別貸借対照表では、実際には色が付いていない現金に、色を付ける作業を行います。具体的には「資金運用」と「資金調達」とに区分した上で、その性質によって以下のとおり4つの項目に区分します。

 資金別貸借対照表で必ず確認しなければならないのは「安定資金」です。安定資金は会社が保有している現預金から、短期的に返済が必要な「流動資金」を除いたものですのです。従って、この「安定資金」が当面の間会社が利用できる現金と言えるでしょう。また、この「安定資金」がマイナスであるということは、会社が保有している現預金が、短期で返済が必要な資金調達により賄っていることになり、会社の資金状況としては非常に危険な状況と言えます。

 また「安定資金」が「長期借入金」を上回っているかを確認してください。「安定資金」がプラスであっても、その資金調達が銀行借り入れ等の「長期借入金」よりも下回っているのであれば、将来のいつかの時点で借り入れの返済が行われれば、安定資金が低下することになります。

 資金別貸借対照表を確認するポイント

 ① 安定資金がプラスか?

 ② 安定資金が長期借入金を上回っているか?

 現金残高が多くても、実は銀行などからの借り入れで資金を賄っているだけで、そのお金は自社のものではないことがあります。資金別貸借対照表で、自社が利用できる資金の状況をチェックしてください。

(文責:税理士法人FP総合研究所)