【No297】健康・医療情報の保存期間及びオンライン請求の推進について

 令和5年9月7日に厚生労働省の第167回社会保障審議会医療保険部会が開催されました。今回の医業経営FPNewsでは、本部会で議論されたもののうち、健康・医療情報の保存期間及びオンライン請求の推進に関する内容を抜粋してご案内します。

1.オンライン資格確認等システムで管理する情報の保存期間

 各情報ごとに保存期間が設定されている健康・医療情報は、オンライン資格確認等システムにより管理されており、医療機関・薬局は、マイナンバーカードで本人確認を行うことで、その健康・医療情報を確認することが可能となっています。このうち、薬剤情報等については、令和3年10月から収載が開始されており、現在は保存期間が3年となっているため、令和6年10月以降、順次保存期間が終了することとなります。

 そこで、本部会において、利用ニーズやコスト、各種文書の法令上の保存期間(下記参考)を考慮して、オンライン資格確認等システムで管理する情報のうち、資格情報以外の情報については、保存期間を一部延長して5年間とする提案が行われました。各情報の見直し後の保存期間や保存期間に対する考え方は以下のとおりです。

(参考)各種文書の法令上の保存期間

厚生労働省「第167回社会保障審議会医療保険部会 【資料1】オンライン資格確認等について」より引用

2.オンライン請求の推進に伴う対応

 第164回社会保障審議会医療保険部会に引き続き、第167回の本部会においてもオンライン請求の推進について議論がなされました。

 レセプトの請求方法について、現在紙レセプトで行われている請求は事前届出が必要であり、あくまでも経過的な取り扱いであることを明記することとなりました。また、令和6年4月以降も継続する場合には、改めて届出を提出することとし、届出を行った保険医療機関・薬局が「紙レセプトでの請求が認められているもの」となります。なお、オンライン資格確認導入の原則義務化についても、上記「紙レセプトでの請求が認められているもの」が例外の対象となります。

厚生労働省「第164回社会保障審議会医療保険部会 【資料1】オンライン請求の割合を100%に近づけていくためのロードマップ(案)」より引用

厚生労働省「第167回社会保障審議会医療保険部会 【資料1】オンライン資格確認等について」より引用

【オンライン請求の割合を100%に近づけていくためのロードマップ】

厚生労働省「第167回社会保障審議会医療保険部会 【資料1】オンライン資格確認等について」より引用

(文責:税理士法人FP総合研究所)