【No400】医療費助成の受給者証・診察券のマイナンバーカード一体化と補助金申請について
医業経営FPNews No.370でご案内した「医療費助成のオンライン資格確認・マイナンバーカードの診察券利用に係る補助金」の申請は令和8年1月15日で終了しました。この度、厚生労働省は令和8年5月7日に新たに「医療費助成の受給者証及び診察券のマイナンバーカードへの一体化に関する補助金」の申請受付の開始について公表しました。
今回の医業経営FPNewsではこの補助金の概要から具体的な支給額、および申請手続きに係る留意点についてご案内します。
1.制度の概要
マイナンバーカード一体化による以下のような業務効率化が図れます。
(1) 受付事務の自動化と事務負担の軽減
患者がマイナ保険証(マイナンバーカード)で受付を行う仕組みへ移行することで、従来のように保険証・受給者証・診察券を紙で提示され、目視で確認・手入力する業務負担が減少します。
(2)資格情報と医療費助成情報の一括取得
患者が受付時に利用を選択することで、オンライン資格確認端末を経由し、医療保険の資格情報だけでなく医療費助成情報もオンライン上で確認可能になります。
(3)既存システムへのデータ連携によるコスト削減
顔認証付きカードリーダーの利用者リストから、患者氏名や生年月日、患者番号等の情報を、既存の患者受付登録一覧へ自動または手動で連携させることが可能となり、医療機関における医療事務コストが削減できます。
厚生労働省「令和8年度版 診療所向け 医療費助成の受給者証・診察券の
マイナンバーカード一体化補助金の申請受付を開始します!」1頁参照
2.具体的な支給額・計算式
レセコン改修に伴う補助金額は以下の通りです。
(1) 補助金額の算定
診療所が、受給者証や診察券のマイナンバーカード一体化に向けてレセプトコンピュータ(以下、「レセコン」という。) を改修する場合、以下の計算式に基づき補助金が支給されます。

具体的な補助額は、実施する改修内容ごとに設定されていますが、診療所においては上記のどの改修パターンを選んだ場合でも、事業費7.3万円を上限にその4分の3(最大5.4万円)が補助されます 。
医療機関等向け総合ポータルサイト「医療費助成のオンライン資格確認・マイナンバーカードの診察券利用に係る助成金について
(医療機関等におけるマイナンバーカード利活用推進事業)」図引用
(2) 補助対象となる改修の要件
診療所においては、自院の運用に合わせて以下のいずれかの改修を選択し、補助金を受給することができます。
・医療費助成のオンライン資格確認を実施するためのレセコン改修
・医療費助成情報のオンライン取得に加え、マイナ診察券で受付可能にする改修(※診察券の完全廃止までは要件とされていません)
・診察券の機能のみをマイナンバーカードに一体化(マイナ診察券)させるための改修
厚生労働省「令和8年度版 診療所向け 医療費助成の受給者証・診察券の
マイナンバーカード一体化補助金の申請受付を開始します!」参照
3.申請手続き・注意点
(1) 手続きの流れと証憑書類
申請は、国が指定する「医療機関等向けポータルサイト」を経由して行います。
提出が必要な証憑書類として、「システムベンダー等が発行する領収書」「領収書内訳書」「システム改修に係るチェックシート(ベンダーが記入)」が求められます。
(2)運用自治体の事前確認
医療費助成のオンライン資格確認を実施するにあたり、運用を開始している自治体名や対応する受給者証の種類については「デジタル庁HP」で、今後の運用予定については「厚労省HP」で事前に確認を行っていただく必要があります。
(3)申請の回数
補助金制度では、医療費助成の受給者証対応とマイナ診察券の改修を別々の時期に実施することも可能ですが、申請は必ず一括で行う必要があります 。複数回に分けた申請は認められていないため、十分にご注意ください 。
厚生労働省「令和8年度版 診療所向け 医療費助成の受給者証・診察券の
マイナンバーカード一体化補助金の申請受付を開始します!」2頁参照
4.さいごに
本補助金は、受給者証と診察券をマイナンバーカードへ一体化するレセコン改修を支援し、医療機関の受付業務の自動化や事務コスト削減を図るための制度です。診療所の場合、受給者証や診察券対応などの改修内容を問わず、最大5.4万円(補助率3/4)が支給されます。
今年度の申請期間は令和8年5月15日から9月30日までと短く設定されているため、注意が必要です。
期限直前のシステムベンダーの混雑を避けるためにお早めにスケジュール調整を行うとともに、導入効果を最大化するための患者様への積極的な周知や院内オペレーションの構築を並行して進めることをお勧めいたします。
(文責:税理士法人FP総合研究所)