【No401】診療報酬改定:充実管理加算について
令和8年度診療報酬改定により、これまで生活習慣病管理料に紐づいて一律で算定されていた「外来データ提出加算」が廃止され、新たに「充実管理加算」へと再編されました。これは単なるデータ提出から、提出されたデータに基づく診療実績や結果へと評価方針が大きく見直されたことを意味しており、医療機関の経営に直結する重要な変更点となります。
今回の医業経営FPNewsでは、充実管理加算の制度概要や具体的な算定要件についてご案内いたします。
1.制度の概要
生活習慣病に関連するガイドライン等に沿った診療を行う医療機関を高く評価する観点から、これまでの外来データ提出加算が見直されました 。
診療報酬の請求状況や治療管理の状況等のデータを提出した医療機関のうち、質の高い生活習慣病管理に係る実績を有する医療機関に対する評価が新設されるとともに、提出を求めるデータの簡素化等が行われました 。充実管理加算の概要は以下のとおりです 。
①これまで一律の点数(50点)であった外来データ提出加算に代わり、実績値に応じた「加算1~3」の3つの区分の新設。
②対象は、脂質異常症・高血圧症・糖尿病を主病として生活習慣病管理料1又は2を算定する患者。
③医療機関が提出した診療実績データをもとに厚生労働省保険局医療課が集計・分析を行い、所定の集計期間ごとに加算の算定区分が決定。
④医療機関の業務負担の軽減の観点から提出項目が約30項目減少。
⑤算定点数及び各疾患の指標は下表のとおりです。

厚生労働省「令和8年度診療報酬改定 外来医療の機能分化・強化等」参照
2.各種届出のスケジュール
様式7の10(外来/在宅/リハビリテーションデータ提出加算及び充実管理加算データ提出開始届出書)を提出する時期によって、算定開始時期が異なります。届出時期による算定開始目安は以下のとおりです。

厚生労働省「令和8年度外来データ提出加算等に係る説明資料」より画像引用
3.経過措置
令和8年3月31日において現に生活習慣病管理料(Ⅰ)の注4又は生活習慣病管理料(Ⅱ)の注4に係る届出を行っている保険医療機関については、令和9年3月31日までの間に限り、充実管理加算1に係る実績値の要件を満たすものとして扱われる経過措置が設けられています。なお、経過措置の終了に伴い算定する充実管理加算が変更となる場合においては、様式7の11を地方厚生(支)局にあらためて届け出る必要があります。
厚生労働省「令和8年度における外来データ提出加算等の取扱いについて」参照
4.さいごに
令和8年度診療報酬改定における「充実管理加算」への移行は、医療機関に対してより質の高い生活習慣病管理を求める国の方針が明確に表れたもので、これまで一律50点だった外来データ提出加算を充実管理加算へ変更することで実質的な点数の引き下げという結果となりました。今後はシステム等を活用した業務負担の軽減と並行して、安定した医療の提供体制の構築が急務となります。
(文責:税理士法人FP総合研究所)