【No405】医療機関等における賃上げ・物価上昇支援事業について

医療機関等における賃上げ・物価上昇支援事業は、昨今の賃金・物価高騰の影響を受ける診療所や薬局等に対し、都道府県を通じて給付金を支給する制度です。

医療従事者の確実な賃上げ(処遇改善)と、令和6年度診療報酬改定以降の物価高騰に対する経費支援を両輪で行い、医療機関の経営改善と地域医療提供体制の維持・確保を図ることを目的としています。

今回の医業経営FPNewsでは、当該支援事業の対象となる施設や申請方法等についてご案内します。

1.医療機関等における賃上げ・物価上昇支援事業共通の支給要件

・保険医療機関コードが発行されており、令和7年4月1日から申請時点までに診療報酬を請求した実績がある施設であること

・廃院・廃止しておらず、申請時点で廃院・廃止の予定がないこと

東京都「東京都医療機関等における賃上げ・物価上昇に対する支援事業」参照

2.診療所等賃上げ支援事業

医療機関等が賃金・物価上昇の影響を受けている状況を踏まえ、医療機関等の従事者の処遇の改善につなげるため、都道府県が有床診療所(医科・歯科)、無床診療所(医科・歯科)、薬局及び訪問看護ステーションに対して賃上げに必要な経費として給付金を支給するための経費を補助し、確実な賃上げに繋げることを目的としています。

(1)対象となる医療機関等

・令和8年3月1日時点でベースアップ評価料を届け出ている施設

・薬局は令和8年6月1日時点で令和8年度診療報酬改定による見直し後のベースアップ評価料を届け出ることを誓約する施設

・医師又は歯科医師である院長と医療に従事しない専ら事務作業(医師事務作業補助者、看護補助者等が医療を専門とする職員の補助として行う事務作業を除く)を行う職員のみの診療所等、現在の制度上、ベースアップ評価料が届け出られない有床診療所、無床診療所及び訪問看護ステーションのうち、令和8年6月1日時点で令和8年度診療報酬改定による見直し後のベースアップ評価料を届け出ることを誓約する施設

(2)給付金の支給額

・有床診療所(医科・歯科) 使用許可病床数(令和7年8月1日時点)×72,000円(※1)

(※1)2床以下の場合は1施設×150,000円を支給します。

・無床診療所(医科・歯科) 1施設×150,000円

・訪問看護ステーション 1施設×228,000円

・所属する同一グループ内の保険薬局の数(※2)として1店舗以上5店舗以下(当該保険薬局を含む)である保険薬局 1施設×145,000円

・所属する同一グループ内の保険薬局の数(※2)として6店舗以上19店舗以下(当該保険薬局を含む)である保険薬局 1施設×105,000円

・所属する同一グループ内の保険薬局の数(※2)として20店舗以上(当該保険薬局を含む)である保険薬局 1施設×70,000円

(※2)厚生(支)局へ届出を行っている「保険薬局における施設基準届出状況報告書(別紙様式3)または特掲診療料の施設基準等に係る届出書」に記載している令和7年4月30日時点の数となり、4.診療所等物価支援事業」についても同様です。

(3)実績の報告

診療所等賃上げ支援事業は、給付金を賃金改善に充てた実績報告が必要となります。

厚生労働省「医療機関等における賃上げ・物価上昇支援事業について」より引用、参照

3.診療所等物価支援事業

医療機関等が令和6年度診療報酬改定以降の物価動向等を背景とする足元の物価高騰に対応できるよう、有床診療所(医科・歯科)、無床診療所(医科・歯科)及び薬局に対して診療等に必要な経費に係る物価上昇へ対応するための給付金を支給し、経営の改善に繋げ、地域医療提供体制の確保を図ることを目的としています。

(1)対象となる医療機関等

 原則、全ての医療機関等 

(2)給付金の支給額

・有床診療所(医科・歯科) 使用許可病床数(令和7年8月1日時点)×13,000円(※)

(※)使用許可病床数が13床以下の場合は1施設×170,000円を支給します。

・無床診療所(医科・歯科) 1施設×170,000円

・所属する同一グループ内の保険薬局の数として1店舗以上5店舗以下(当該保険薬局を含む)である保険薬局 1施設×85,000円

・所属する同一グループ内の保険薬局の数として6店舗以上19店舗以下(当該保険薬局を含む)である保険薬局 1施設×75,000円

・所属する同一グループ内の保険薬局の数として20店舗以上(当該保険薬局を含む)である保険薬局 1施設×50,000円

厚生労働省「医療機関等における賃上げ・物価上昇支援事業について」より引用、参照

4. 申請について

医療機関等における賃上げ支援事業及び物価上昇支援事業については、いずれも対象となる医療機関等が所在する都道府県に対して申請を行います。

都道府県によって申請方法や申請受付期間が異なっているため、都道府県の公式サイト等にて確認を行っててください。

(文責:税理士法人FP総合研究所)