【No813】遺言書作成のポイント ~自筆証書遺言の特徴~
資産税FP News №806でご紹介した遺言書の種類の中から自筆証書遺言の内容についてご紹介します。
自筆証書遺言は、費用もかけずに一人で作成できるという手軽さの反面、保管の状況によっては遺言書が発見されないという危険性や相続が発生した後には検認手続が必要となる煩わしさなどがありました。
この点については、令和2年7月から導入された法務局における遺言書保管制度によって解消されることとなり、以前よりも使い勝手がよくなり、今後、益々活用されることが期待される遺言書の作成方式です。
1.自筆証書遺言の特徴(公正証書遺言との違い)
2.遺言書保管制度の利用状況
令和2年7月から導入された遺言書保管制度ですが、法務省の発表による利用状況は下記のとおりです。
制度の認知に伴い安定して制度を利用されている状況です。また、相続人による遺言書の有無の確認を行う件数も増加傾向にあり、今後も増加するものと予想されます。
3.作成にあたっての注意事項
自筆証書遺言は、基本的には本人が作成するため内容を秘密にできます。法務局に保管する制度を利用するにしても、法務局は遺言の内容の精査を行うわけではなく、外形的な確認のみとなりますので、秘密証書遺言と同様に、法的に有効でない遺言になってしまう可能性があります。法的に有効でない遺言とは、遺言の形式を守れていなかったり、財産の分け方の指示が不明確で曖昧な文章になっていたりする遺言のことです。
そのため、自筆証書遺言や秘密証書遺言の作成にあたってご心配な場合には、遺言の内容をあらかじめ法律に精通した専門家に確認してもらうこともご検討ください。またご自身の状況に合わせて、どの遺言を作成されるかご検討いただければと思います。
(文責:税理士法人FP総合研究所)