【No926】令和5年分の確定申告はマイナンバーカードとe-Taxでさらに便利に

 国税庁ホームページの「確定申告書作成コーナー」では、画面の案内に沿って金額等を入力するだけで、所得税、消費税及び贈与税の申告書や青色申告決算書・収支内訳書等の作成・e-Taxによる送信ができますが、令和5年分確定申告から確定申告書作成コーナーで以下のサービスが開始される予定です。(令和6年1月上旬頃を予定しています。)

1.マイナポータル連携による申告書の自動入力対象が拡大

 マイナポータル連携とは、所得税確定申告の手続において、マイナポータル経由で控除証明書等のデータを一括取得し、各種申告書の該当項目へ自動入力する機能です。

 令和5年分確定申告からは、給与所得の源泉徴収票・国民年金基金掛金・iDeCo・小規模企業共済掛金が対象となります。

※1 マイナポータル連携をご利用になるには、マイナンバーカードとマイナンバーカード読取対応のスマートフォン(又はICカードリーダライタ)が必要です。

※2 「給与所得の源泉徴収票」の情報が自動入力の対象になるためには、お勤め先(給与等の支払者)が税務署にe-Taxで給与所得の源泉徴収票を提出していることが必要です(「年間の給与等の支払金額が500万円を超えるもの」などの提出要件があります。)。

※3 マイナポータル連携により控除証明書等のデータを取得するには、控除証明書の発行主体が、マイナポータル連携に対応していることが必要です。マイナポータル連携に対応している発行主体は、マイナポータル連携可能な控除所証明書等発行主体一覧をご確認ください。

※4 マイナポータル連携の詳細については、マイナポータル連携特設ページをご覧ください。

2.インボイス発行事業者の消費税の申告書も対応

 消費税納税額を売上税額の2割に軽減するいわゆる「2割特例」(詳しくは「No.882 インボイス制度の負担軽減措置について」をご確認ください。)の申告書も作成することができるようになります。

 簡易課税制度や「2割特例」の申告書を作成する場合、売上(収入)金額等の入力だけで税額等が自動計算されます。

※1 インボイス発行事業者の登録を行うことにより、免税事業者から課税事業者となる事業者の方が適用できます。基準期間(前々年)の課税売上高が1千万円を超えているなど、インボイス発行事業者の登録以外の事由により課税事業者となる方は適用できません。

※2 簡易課税を選択している場合も、「2割特例」の適用を受けることができます。

3.今後の流れ

 新型コロナウイルス感染症の影響もあり、税務署の窓口に行かずに手続が可能なe-Taxは今後さらに利用が推進されるものと思われます。世界的にデジタル化が遅れているとされる我が国ですが、近年の環境変化に対応するよう今後さらに税務手続も電子化していくことが予想されます。

 

(文責:税理士法人FP総合研究所)