【No461】土地の貸付けを行う場合の消費税

 土地の貸付けは、原則として消費税法上、非課税取引となります。但し、その土地の利用目的や貸付け条件、土地の管理・設備状況などによって、課税取引となるケースがあるため、注意が必要です。

1.不課税取引と非課税取引

消費税の課税の対象は、国内において事業者が事業として対価を得て行う取引です。これに当たらない取引には消費税はかかりません。これを一般的に不課税取引といいます。

例えば、国外取引、対価を得て行うことに当たらない寄附や単なる贈与、出資に対する配当などがこれに当たります。

これに対して非課税取引とは国内において事業者が事業として対価を得て行う取引であっても、課税対象になじまないものや社会政策的配慮から消費税を課税しない取引があります。これを非課税取引といいます。

例えば、土地や有価証券、商品券などの譲渡、預貯金や貸付金の利子、社会保険医療などの取引がこれに当たります。

2.課税取引となる土地の貸付け

(1)土地の一時貸付け

土地の貸付けであっても、貸付期間が1か月に満たない場合は、消費税は課税となります。

1か月の判定は、実質賃貸期間ではなく、「契約上の期間」(形式上の判断)となります。

(2)施設の利用に伴う土地の貸付け

駐車場など施設の利用(※1)に伴って土地が使用されている場合は、消費税は課税となります。

駐車場の貸付けについては、駐車している車両の管理を行っている場合や、駐車場としての地面の整備またはフェンス、区画、建物の設置などをして駐車場として利用させている場合には、消費税は課税となります。

※1駐車場に限らず、自転車駐輪場や資材置き場なども含まれます。

(3)建物部分と敷地部分を区分した場合

住宅を除く建物(事務所、店舗等)などの施設の貸付けをする場合に、その使用料を建物部分と敷地部分に区分していたとしても、その総額が建物の使用料とみなされ、消費税は課税となります。

3.非課税取引となる土地の貸付け

(1)非課税の対象は、土地そのものの貸付けです。

駐車場であっても、地面の整備、フェンス、区画、建物の設置をしない場合は非課税となります。

土地所有者が、土地を貸し、その借地人が上記施設等を貸付けた場合、前者は非課税、後者は課税となります。

(2)住宅等の駐車場の貸付けで「住宅の貸付け」に含まれる場合

住宅(アパートやマンションなどを含みます)の貸付けは、原則、消費税は非課税となります。住宅の貸付けに伴う駐車場について、次のすべての条件を満たした場合にのみ、消費税は非課税となります。

①入居者一戸当たり1台以上の駐車スペースが確保されており、かつ、自動車の保有の有無にかかわらず、駐車場が全戸に割り当てられている場合

② 家賃とは別に駐車場使用料等を収受していないこと

(文責:税理士法人FP総合研究所)