【No255】令和4年度第二次補正予算案における医療・介護分野のDXの推進について

 令和4年11月8日に令和4年度厚生労働省第二次補正予算案の概要が公表されました。主な内容としては、賃金引上げ関連、新型コロナウイルス感染症関連、医療・介護分野のDXの推進関連など5つの大きなテーマに分けて予算案が公表されていますが、その中から今回は医療・介護分野のDXの推進に関する事項について一部抜粋してご紹介します。

〇マイナンバーカードと健康保険証等の一体化に向けた取組(オンライン資格確認の用途拡大等の推進)

1.訪問診療等におけるオンライン資格確認等に係るシステム改修及び導入に係る財政支援

 令和4年度第二次補正予算案224億円 ※用途拡大システム改修51億円、導入に係る財政支援173億円

 ①施策の目的

 マイナンバーカードを健康保険証として利用できるオンライン資格確認等システムについて、用途拡大のための改修を行う。また、訪問診療等におけるオンライン資格確認等の導入に係る財政支援を行う。

 ②施策の概要

 オンライン資格確認等システムを基盤として、現行の保険医療機関・薬局における外来診療等におけるサービス以外(訪問診療やオンライン診療等、健診実施機関等)においても、保険資格情報等をオンラインで確認することができる仕組みを構築し、各施設が導入できるようにする。また、訪問業態(訪問診療・訪問歯科診療・訪問服薬指導・訪問看護等)やオンライン診療を実施している医療機関・薬局、健診実施機関等において、令和6年4月からオンライン資格確認を使用できるようにする必要があることから、医療機関・薬局、健診実施機関等におけるシステム改修等を行う。

 ※訪問診療やオンライン診療等に係るシステム改修とあわせて、マイナンバーカード機能のスマートフォンへの搭載に係る対応も行う。職域診療所等におけるオンライン資格確認については、既存予算により構築する仕組みについて、外部連携テスト等の導入準備等を行う。また、審査支払機関を介さずに行った保険診療に係る薬剤情報を収集するための仕組みの構築も行う。

 ③施策のスキーム図、実施要件(対象、補助率等)等

 ※用途拡大システム改修:青点線、導入に係る財政支援:赤点線

厚生労働省 令和4年度第二次補正予算案の主要施策集41ページより抜粋

2.オンライン資格確認システム等の計画支援及び周知広報支援経費

 令和4年度第二次補正予算案6.8億円

 ①施策の目的

 マイナンバーカードを健康保険証として利用できるオンライン資格確認等システムについて、用途拡大のため の周知広報支援を行う。

 ②施策の概要

 訪問診療等の新たに構築する仕組みについて、医療関係者等が円滑な作業や運用を行えるようにするため等の周知広報支援を行う。

 ③施策のスキーム図、実施要件(対象、補助率等)等

厚生労働省 令和4年度第二次補正予算案の主要施策集42ページより抜粋

3.マイナンバーカードと健康保険証の一体化に伴うシステム改修等

 令和4年度第二次補正予算案56億円

 ①施策の目的

 マイナンバーカードと健康保険証の一体化を加速し、2024年秋の健康保険証廃止を目指すため、その実現に向けたシステム改修等を行う必要がある。

 ②施策の概要

 各保険者が導入しているシステム等において、マイナンバーカードと健康保険証の一体化を加速し、2024年秋の健康保険証廃止を目指すための所要の機能を追加する。また、マイナンバーカードと健康保険証の一体化に係る周知広報等を行う。

 ③施策のスキーム図、実施要件(対象、補助率等)等

 マイナンバーカードと健康保険証の一体化を加速し、2024年秋の健康保険証廃止を目指すための対応として、各保険者が導入しているシステム(市町村事務処理標準システム、国保総合システム、広域標準システム等)について、各保険者(市町村国保、広域連合、協会けんぽ、健康保険組合)で、マイナンバーカードと健康 保険証の一体化に伴う所要のシステム改修を行う。また、被保険者(国民)や医療機関等に対し、マイナンバーカードと健康保険証の一体化に係る周知広報等を行う。

 ④成果イメージ(経済効果、雇用の下支え・創出効果、波及プロセスを含む)

 システム改修等の実施により、各保険者におけるマイナンバーカードと健康保険証の一体化に係る事務を円滑に進めることができ、ひいては国民のマイナンバーカードの保険証利用の促進を図ることができる。

厚生労働省 令和4年度第二次補正予算案の主要施策集43ページより抜粋

4.医療扶助のオンライン資格確認の導入に係るシステム改修経費等

 令和4年度第二次補正予算案10億円

 ①施策の目的

 令和5年度中からの導入を目指す医療扶助のオンライン資格確認について、令和5年1月の電子処方箋の導入等の機能拡大や、システム標準化への対応等を追加的に行うことで、医療扶助の更なる適正運営と被保護者に対するより良い医療の提供を図る。

 ②施策の概要

 医療扶助のオンライン資格確認の導入に向けたオンライン資格確認等システム等のシステム改修において、電子処方箋等の機能拡大、及びシステム標準化に係る標準仕様書(1.0版)に対応するために必要となる改修に追加的に対応することで、医療扶助のオンライン資格確認においてこれらの機能等を実装可能にする。

 ③施策のスキーム図、実施要件(対象、補助率等)等 

 ④成果イメージ(負担軽減効果)

 マイナポータルや医療機関での閲覧情報の拡大等により、よりよい医療の提供が可能となるとともに、関係機 関間の情報連携を強化することにより更なる医療扶助の適正化が図られる。

厚生労働省 令和4年度第二次補正予算案の主要施策集44ページより抜粋

5. 医療扶助のオンライン資格確認導入に係る指定医療機関・指定薬局への補助

 令和4年度第二次補正予算案47億円

 ①施策の目的

 令和5年度中からの導入を目指す医療扶助のオンライン資格確認について、指定医療機関・指定薬局における レセプトコンピュータ等既存システムの改修が必要となるため、当該費用について国庫補助を行う。

 ②施策の概要

 本年秋に医療機関等におけるシステムの改修内容が整理されるため、医療機関において早期からシステム改修に着手できるよう、令和4年度中から医療機関等への補助を実施する。

 ※医療保険におけるオンライン資格確認の仕組みを最大限活用し、医療扶助のオンライン資格確認導入を目的としての顔認証付きカードリーダーの新たな提供は行わない。

 ③施策のスキーム図、実施要件(対象、補助率等)等

 ④成果イメージ(負担軽減効果)

 医療機関において、診察時に本人同意のもとで健診情報等を閲覧することが可能となることにより、適正な医療サービスを提供することが可能となるほか、直ちに資格確認を行うことによる医療扶助の適正な運営が図られる。

厚生労働省 令和4年度第二次補正予算案の主要施策集45ページより抜粋

〇医療情報等の共有基盤となる全国医療情報プラットフォームの創設

1.全国医療情報プラットフォーム開発事業

 令和4年度第二次補正予算案23億円

 ①施策の目的

 国民の健康増進及び質の高い医療の提供に向けて、健康・医療分野のデジタル化を推進する。

 ②施策の概要

 オンライン資格確認等システムのネットワークを拡充し、レセプト・特定健診情報に加え、予防接種、電子処方箋情報、電子カルテ等の医療機関等が発生源となる医療情報(介護含む)について、クラウド間連携を実現し、自治体や介護事業者等間を含め、必要なときに必要な情報を共有・交換できる全国的なプラットフォームを構築する。

 ③施策のスキーム図、実施要件(対象、補助率等)等

 ④成果イメージ(経済効果、雇用の下支え・創出効果、波及プロセスを含む)

 デジタル化によって国民がマイナポータルを通じて自身のデータを直接把握し、健康増進に役立てられるとともに、その情報の利活用によりヘルスケア産業の振興にも繋がる。さらに、医療DXが進むことによって、医療機関のみならず自治体や介護事業者等の業務の効率化や、医療・介護現場でより多くの情報が共有・活用されることで、切れ目のない質の高い医療・介護サービスの提供が可能となる。

厚生労働省 令和4年度第二次補正予算案の主要施策集46ページより抜粋

2.介護保険分野におけるマイナンバーカード活用に係る調査事業

 令和4年度第二次補正予算案3.9億円

 ①施策の目的

 マイナンバーカードを活用した介護保険被保険者証の在り方や「全国医療情報プラットフォーム」に係る介護  情報基盤の実務的・システム課題を整理する。

 ②施策の概要

 マイナンバーカードを活用した介護保険被保険者証の在り方については、「デジタル社会の実現に向けた重点 計画」(令和4年6月7日閣議決定)において、令和4年中に被保険者証そのものの在り方について見直し方策を検討し、保険者等の関係者と合意をした上で、環境整備・システム開発を行い、令和5年度以降に本格運用することとされている。 また、全国的な保健医療情報の共有基盤である「全国医療情報プラットフォーム」については、介護情報も含めることとされており、全体像が見えてきた中で、介護保険分野のデジタル化については、最新の状況を踏まえて検討を行っていく必要がある。こうしたことを踏まえ、マイナンバーカードを活用した被保険者証の在り方や「全国医療情報プラットフォーム」における介護情報基盤に係る、実務的・システム的課題を整理するための調査研究を行う。

 ③施策のスキーム図、実施要件(対象、補助率等)等

 ④成果イメージ(経済効果、雇用の下支え・創出効果、波及プロセスを含む)

 マイナンバーカードの利活用を進めることで、事務の効率化・介護サービスの質の向上が期待される。

厚生労働省 令和4年度第二次補正予算案の主要施策集47ページより抜粋

〇電子処方箋の安全かつ正確な運用に向けた環境整備・保健医療福祉分野の公開鍵基盤(HPKI)の普及

1.電子処方箋の安全かつ正確な運用に向けた環境整備

 令和4年度第二次補正予算案34億円

 ①施策の目的

 令和5年1月からの電子処方箋の運用開始に向けて、安全かつ正確な運用のための環境整備を進め、電子処方箋の導入促進を図る。

 ②施策の概要

  (1)当初想定していなかった事象に対応するための電子処方箋管理サービスの改修等

  (2)運用開始時より導入を図る医療機関・薬局のうちから一部の施設を抽出し、運用ルールの検証や、効果的な服薬指導実現のためのガイドライン策定に向けモデル事業を実施

  (3)オンライン資格確認等システムを導入している概ね全ての医療機関等が電子処方箋管理サービスを導入するよう説明会、周知広報を実施

 ③施策のスキーム図、実施要件(対象、補助率等)等

 ④成果イメージ(経済効果、雇用の下支え・創出効果、波及プロセスを含む)

 電子処方箋導入促進のための環境整備を進めることにより、電子処方箋そのもののメリットを享受可能な範囲を広げ、国民の健康増進や質の高い医療の提供に向けた健康・医療分野のデジタル化といった医療DXの推進を図ることができる。

厚生労働省 令和4年度第二次補正予算案の主要施策集48ページより抜粋

2.保健医療福祉分野の公開鍵基盤(HPKI)普及事業

 令和4年度第二次補正予算案22億円

 ①施策の目的

 令和5年1月から運用が開始される電子処方箋は、これを発行する場合、電子署名が必要となるため、電子処方箋導入促進の観点から現時点で電子署名可能な資格確認・本人確認証であるHPKIカードの普及拡大を進める。

 ②施策の概要

 電子処方箋へ電子署名が行えるよう、認証局にカード発行費用を補助し、HPKIカードの普及推進を行う。また、カードの発行を前提に、カードの紛失や緊急に処方箋に署名が必要な場合といった万が一の事態に備えて カードレスでも電子署名することができるクラウド署名サービスの構築を行い、その利便性の向上を図る。

 ③施策のスキーム図、実施要件(対象、補助率等)等

 ④成果イメージ(経済効果、雇用の下支え・創出効果、波及プロセスを含む)

 HPKIカードの普及拡大により、電子処方箋の導入も促進されることから、電子処方箋のメリットを享受可能な範囲が広がり、国民の健康増進や質の高い医療の提供に向けた健康・医療分野のデジタル化といった医療DXの推進を図ることができる。

厚生労働省 令和4年度第二次補正予算案の主要施策集49ページより抜粋

〇予防接種事務デジタル化等のための環境整備

1.予防接種事務デジタル化等事業

 令和4年度第二次補正予算案11億円 ※デジタル庁計上分含む

 ①施策の目的

 デジタル化の推進により、効率的にワクチン接種を進める仕組みを構築するとともに、匿名予防接種データ ベースの整備等により、予防接種の有効性・安全性に関する調査・研究の充実を図る。

 ②施策の概要

 予防接種に関してマイナンバーカードを活用した資格確認を導入するとともに、予防接種の実施状況及び副反応疑い報告等に関するデータベースを整備し、他のデータベース等との連結解析や外部研究機関への情報の提供を可能とする。

 ③施策のスキーム図、実施要件(対象、補助率等)等

 ④成果イメージ(経済効果、雇用の下支え・創出効果、波及プロセスを含む)

 予防接種にかかる国民の利便性向上、地方公共団体や医療機関の事務負担の軽減が図られる。また、匿名化された予防接種に関する情報を外部研究機関に提供することで、予防接種の有効性・安全性に関する調査・研究が充実する。

厚生労働省 令和4年度第二次補正予算案の主要施策集51ページより抜粋

(文責:税理士法人FP総合研究所)